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Policy Creator!
某官庁1年生行政官が様々な面において政策を考えるブログです。世界各地の情勢、ITの進化、経済状況、書評等を通して主に政策の批評、提案を書き連ねていきます。 2009年10月半ばから2か月ほど世界一周をする予定なので、そのレポートも行います。
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Gichou

Author:Gichou
某官庁、行政官1年目のGichouです。
今年の4月から国家公務員として働き始めました。世界の情勢について、官庁について、IT事情についてなど自分なりの視点で書き綴って参ります。
興味の範囲が、経済政策、新ビジネス、世界・日本旅行、iPhone,iPadなどのガジェットなので、これらについて話題が豊富な予感。
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国家戦略室ってこういうこと考える所じゃないの?
前回のエントリーでは、日本の雇用問題を扱い、その中で外国人移民がより入ってきやすいシステムはどのようなものか、考察を加えました。

そのときに指摘されたのが、そもそも日本の歴史を考えた上で、移民を受け入れることが可能か、必要か否かというコメントをもらいました。

今回は日本の歴史を俯瞰した上で日本がどのような方向性を志向すべきか考察しようと思います。

このことを考えるに当たって読んだ本を紹介します。

右であれ左であれ、わが祖国日本 (PHP新書)右であれ左であれ、わが祖国日本 (PHP新書)
(2007/01/16)
船曳 建夫

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この本では、戦国時代以来、この国がとった戦略は三つに収斂するとされています。
以下、概略を述べます。

1.国際日本モデル
信長が理想に描いた日本のモデル。
西洋という新しいアクターが日本近海に現れたため、中国と大陸東北部勢力の相手のみをしていた日本外交を大きく変えることになりました。
その西洋が持ち込んだ主権国家体制に則り、対外国と協調し、対等につきあっていくモデル。

2.大日本モデル
秀吉が理想に描いた日本のモデル。
大陸の諸勢力、特に中国が弱体化したときに、アジア諸国を日本の影響下におこうとするモデル。

3.小日本モデル
家康が実現したモデル。
対外的に影響力を拡大するのではなく、日本国内にその資源・人的エネルギーなどを活用していくモデル。日本が力を失って小さな日本になる、という意味ではなく、持っている大きな力をより内にため込んでいくものである。


日本は戦国時代以来、この3つのモデル及びそれを組み合わせた国の形をしてきたといえます。

明治国家設立期は、西洋列強と対等になるために国際日本を志向し、日清戦争、日露戦争、一次対戦を経て、大陸諸国に対しては大日本モデルを一方でとっていきました。
戦後は、失墜した日本の国際的信頼を取り戻すため、徹底的に国際日本を志向し、憲法にまで”平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して~~国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ”と記載した。
しかし、結果的に日本は、アメリカによる中国と大陸北方の国(ソ連)の封じ込めも影響して、世界第2の経済大国として、アジアにおいて大日本としての影響力を行使しえた。

しかし、冷戦崩壊から始まる、中国・ロシアの台頭により、日本の戦後モデルは岐路に立たされている、といった感じです。

非常にざっくりとした分類わけですが、大きく日本の今後の指針を考える上で参考になると思います。
本書では、この考察の上にたって、日本は小日本、大日本、国際日本をうまくつかいわけて生きていく”中庸国家”たるべしと結論づけています。


確かに東アジアは、中国、ロシア(北方)、アメリカ(西洋)の3大勢力全てが強大化し、しのぎを削る場になりつつあります。これは日本の歴史以来はじめての困難な時代に入ったと言えます。
それだから、今まで一つの戦略をとっていればしのげたものが、通用しなくなったという意味で、それぞれの戦略をうまく組み合わして使う器用さが今後の日本には必要というのに私も賛成します。


具体的には、

1.大日本として
中国が強大化したからといって、日本は海外からの富を得ずに生きていくという選択肢はありえません。
経済成長をしないで、清貧に生きていくという考えはありえません。成長なくして現在の日本の問題点の解決はないでしょう。
(この話は「経済成長って何で必要なんだろう」飯田泰之他著 を読むと理解が深まるでしょう。)
経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)
(2009/06/25)
芹沢 一也荻上 チキ

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そのために高付加価値産業を興し、途上国の作る安いコモディティ化した商品に対抗していく必要があります。
よって日本人だけでなく海外の頭脳を取り入れた上で日本の産業を強くしていくことが必要でしょう。
この点で、前回のエントリーで書いた、”労働市場改革を移民にあわせるべき”という結論にいたります。

2.小日本として
江戸時代にはもう日本は戻れません。それでも、蓄えたパワーを日本国民が内側に発展させるという小日本の考え方は有効です。
大日本の戦略で得た富を、福祉、教育、文化という点で国民に還元し、国民生活を豊かにする、そして更に江戸時代に発展したような日本の独自文化などを創出していくことが求められましょう。
本書にも書かれていますが、この文化というものが、コンテンツ産業として今度は海外から富を得るツールになりうるという点で大日本の戦略とも親和的です。

3.国際日本として
元来国と国とが対等につきあう主権国家体制は、西洋各国とのつきあい方において意味のあるものでしたが、21世紀において成長したアジア各国がその相手となります。
戦後日本はアメリカとの二国間関係だけしか国際関係の交渉を行ってこなかったようなものですが、これが今後は北朝鮮を巡る6カ国協議やG20、ASEAN+3などといったアジア太平洋の多数国間での交渉が重要化します。
このようにアジアにおいて、製品の国際規格の足並みをそろえてEUに対抗するなど、アジアにおける国際日本の姿勢が求められていくでしょう。


以上のような戦略が、今後中長期的にとられていくべきだと思います。
ある政策をうつ上で、その長所短所は当然あるはずで、こんな短所があるからこの政策はおかしい、というのはあまり反論になっていません。
そのため、上記のような大戦略を念頭におきつつ、政策立案、批判などが行われるべきでしょう。

私の考えなどはあまりにも曖昧にすぎるとは思いますが、政府はこのような大戦略を示して、こういう国にしようとしている、だからこの政策が必要なんだよ!という部分をもっと示さないと国民の不安は払拭されないでしょうねぇ。
今のままでは、自民がダメだったからそれとは違うことをするんだよ!としかなっていない気がします。



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テーマ:国家論・憲法総論 - ジャンル:政治・経済

日本の雇用システムはどうあるべきか
日本の雇用--ほんとうは何が問題なのか (講談社現代新書)日本の雇用--ほんとうは何が問題なのか (講談社現代新書)
(2009/06/18)
大久保 幸夫

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前回は日本の雇用をめぐる言説や政策があまり正確な事実認識に基づいていないということを指摘した。

非正規雇用=貧困層であるというステレオタイプな認識に基づくと判断を誤る。
前回の記事のコメントでmidoriさんが、「(長期的にみれば)20代、30代の時間に仕事上での技能や経験を積めない。そうしたら(中略)その人は貧しくなる」と書いてくれたが、たしかにそういう状況になりつつあるでしょう。

しかし、それは非正規雇用という労働形態が問題なのではないのではないだろうか。
経験が積みにくいというイメージは、1年や2年で仕事をころころ変える非正規社員が多いという認識からきていると思う。

だが、書籍から引用すると雇用構造は以下のようになっている。


graph.jpg



ここからみるに、常用されている社員(正社員・常用非正規社員)の割合は20年前から変わっていないことになる。
よって、同じ仕事についている以上は基本的には技能はあがっているはずだ。もっとも事実としてあがっていないとしたら、非正規雇用という雇用形態が問題なのではなく、非正規雇用社員に正社員と公平な待遇(給与や教育システム)が与えられていないということだろう。

つまり、昔は正社員となっていた人が非正規雇用として働くという現実に、社会システムがおいついていないということだ。

よって、非正規雇用という働き方を正面から認めて、そんな働き方をする人が生きやすいシステムを作るべきだろう。

この本では、一つの提案として、現在のシステムでは非正規社員が失業保険に入りにくいので、第2雇用保険を創設し、非正規社員を雇用する企業から保険金を徴収すべきだと論じている。
無理に雇用保険を一つにせずバランスのとれたいい案だと思う。

加えて、私は非正規労働者だけではなく、外国人労働者(マネージャー層、単純労働者など幅広い層)を正面から見据えた社会システムを構築すべきだろう。
特にマネージャー層の外国人がより入ってきやすい形にすべきだ。
これから日本は高付加価値産業を育てていかなければいけない中で、すべて日本人だけでやるのは限界があるから、優秀な外国人を引きつけていかないといけない。
具体的には、外国人がポストに就きやすいようにこよう流動成を高めること、外国人用の保険を整備することなどがあげられるだろう。

前回のブログの冒頭に、日本人官僚がイギリス官庁に出向していた話を書いたが、徐々にそのような状況に日本も適用しないといけない。
”日本で働くのはどういう人たちなのか ”ということを現在と未来を見据えてシステムを再設計すべき時にきている。


テーマ:労働問題 - ジャンル:政治・経済





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